人を好きになる気持ちはとても純粋なものですが、実際に会わない方が気持ちを保ちやすいことがあります。
遠くにいるからこそ恋しく感じたり、相手の良い部分だけが心に残ったりすることは少なくありません。
では、なぜ「会わない方が好きでいられる」のでしょうか?
その心理について解説していきます。
会わない方が好きでいられるのは何故?
嫌な面が見えないから
人と直接会って過ごすと、必ず相手のさまざまな側面が見えてきます。
些細なクセや行動、価値観の違いなど、好きな人であっても気になることが出てくるものです。
しかし、会わないままでいると、相手の嫌な部分を目にすることがないため、「理想の人」としてのイメージを維持しやすくなります。
距離を保つことで、相手の良い面だけが強調され、結果的に好きな気持ちを長く持ち続けることができるのです。
都合の良い想像ができるから
会わない相手のことは、自分の理想や願望に合わせて自由に想像することができます。
「きっとこんなに優しい人なんだろう」「こんな話をしたら楽しいはず」といった、自分にとって都合の良いイメージを作り上げてしまうのです。
現実の相手と向き合うと、想像とは異なる部分も当然ありますが、会わなければそのギャップを感じることがないため、好意を持ち続けやすくなります。
頑張る必要がないから
実際に人と会うと、気を遣ったり、相手の気持ちを考えたりと、何かと労力が必要になります。
相手に気に入られようと自分を良く見せようとする努力も、知らず知らずのうちに負担になることがあります。
しかし、会わない状態であれば、そうしたプレッシャーを感じることがなく、自然体のままでいられます。
そのため、「会わない方が楽で、好きな気持ちを保ちやすい」と感じるのです。
手に入らないものに執着心を持つため
「手に入りそうで入らないもの」に対して、人はより強く惹かれる傾向があります。
心理学的にも、遠くにあるものや手が届かないものほど魅力的に感じてしまう現象があるとされています。
実際に会えない相手に対しては、少しのやり取りや思い出が特別なものとして記憶に残り、それが執着心へと変わることもあります。
会えないからこそ、相手への気持ちが途切れずに続くのです。
他の人に嫌気がさすと相対的に良く見えるため
日常の中で、周りの人との関係に疲れたり、嫌な思いをしたりすると、会わない相手がより魅力的に見えることがあります。
身近な人と比較すると、会わない相手の良い部分ばかりが際立って感じられるのです。
「あの人ならこんな嫌なことは言わないだろう」「あの人の方がずっと優しいはず」といった具合に、理想化が進んでいくことがあります。
実際には、相手も人間であり、良い部分も悪い部分もあるはずですが、会わないことで理想的な存在として認識されやすくなるのです。
まとめ
「会わない方が好きでいられる」のは、相手の嫌な面を見ずに済み、理想的なイメージを保ちやすいからです。
また、直接会わないことで、気を遣ったり努力したりする必要がなく、精神的な負担が軽減されることも大きな理由の一つです。
さらに、「手に入らないものほど魅力的に感じる」「周囲の人と比べて良く思える」といった心理が働くことで、相手をより特別な存在として感じやすくなります。
ただし、会わないままでいると、相手の本当の姿を知ることができず、想像と現実のギャップが生じる可能性もあります。
もし実際に関係を深めたいのであれば、一歩踏み出して現実の相手と向き合うことも大切かもしれません。
「好き」という気持ちがどこから来ているのかを考えながら、自分の心と向き合うことができれば、より充実した人間関係を築くことができるでしょう。